
稲垣
2026年9月10日
―住所変更登記、実は義務化されています―
引っ越しをすると、多くの方が真っ先に行うのが住民票の変更です。しかし、住民票を変更しても、不動産の登記簿に記載された住所は自動的には変わりません。
この2つは別の手続きであり、意外と知られていないポイントです。実際、私たちが空き家管理の現場で不動産の登記情報を確認すると、所有者の住所が何年も、時には何十年も前のままになっているケースは決して珍しくありません。相続の際に「登記簿上の住所と現住所が違うため、本人確認に手間取った」というご相談も多くいただきます。
こうした状況を背景に、令和8年(2026年)4月1日から住所等変更登記が義務化されました。不動産の所有者は、住所や氏名に変更があった場合、変更日から2年以内に変更登記を申請することが法律で義務付けられています。正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。さらに、この義務化は施行日より前の変更にもさかのぼって適用され、まだ登記していない方は令和10年3月31日までに手続きを済ませる必要があります。
また、義務化とは別の観点でも見落とせないのが、将来その不動産を売却する際には、住所変更登記が必ず必要になるという点です。登記簿上の住所と現在の住所が一致していないと、売却に伴う所有権移転登記を進めることができません。「今は住むつもりも売るつもりもないから」と後回しにしていても、いざ売却や相続の場面になって慌てて対応するケースは多く見られます。早めに済ませておくことで、将来の手続きがスムーズになります。
「面倒そう」というイメージを持たれるかもしれませんが、実は住所変更登記そのものは比較的シンプルな手続きです。必要書類は住民票(または戸籍の附票)と登記申請書が基本で、相続登記のように複雑な戸籍収集は不要であり、司法書士に依頼せず自分で申請される方も多くいらっしゃいます。費用面でも、登録免許税は不動産1個につき1,000円と定額で、土地・建物をまとめて申請すれば大きな負担にはなりません。
実家を相続した、あるいはこれから相続する予定があるという方は、この機会に登記簿上の住所が最新になっているか確認してみることをお勧めします。当社では、こうした登記関連のご相談についても、 提携する司法書士をご紹介することが可能です。お気軽にご相談ください。